土光敏夫と赤字国債
今を振り返ること40年前、第4次中東戦争をきっかけとした石油ショックがあり、日本政府は税収の激減を理由に2兆円の赤字国債発行を補正予算に盛り込んだそうだ。公債特例法による赤字国債が発行され、以後、76年には5.5兆円、77年には10兆円、・・・2007年20兆円と増え続け、ある人の言葉を借りると赤字国債を麻薬のように服用し続けるそうだ。原発の推進と国際金融資本の関係の中、赤字国債は麻薬ではなく、特定のグループにとってはお金のリテラシーとも言えるかもしれないが、「清貧と貧困 土光敏夫の100の言葉」を読んだ時、今、国会で赤字国債の発行の目処が立たないという事態は実は40年前からずっと蝕まれてきたことであることを知った。土光さんが警鐘してきた政府、政治家のあり方についての苦言は今も払拭できずにいる。庶民派であるメザシの土光さんは日本の10、20年後を見据えていたと思うが、今の状況をどういう風にみるだろうか。キツネにつままれて麻痺しているのは何なのか、私も含め、多くの国民が分からない。しかしながら、40年経った今では、その意味も意図も少しは分かる。土光さんの夢見る理想の日本はどういうものだったのだろう か。
コメント