アフターコロナのもたらすもの

中国武漢に始まる新型コロナ感染で亡くなられた方、ご家族の皆様にまずはお見舞い申し上げます。

新型コロナはこれまで社会に見えなかったものを様々な形で、地球に住む人間に提示している。これは約100年に1回の出来事のように思う。東北大震災をはじめ、100年~数百年に一度のことが最近多く感じる。

まずは社会に見えなかったものを下記する。

  1.  メディア、特にワイドショーにみられるノイズ、誤った医療情報の垂れ流し
  2.  日本社会の働き方のいびつさ
  3.  利益目的主義と健康・安全第一主義の価値観の比重
  4.  緊急事態における欧米諸国と日本の政府権限の差
  5.  衛生観念の日本国民の意識の高さ
  6.  時価総額やGDPでは測りえない日本の資産価値の高さ
  7.  非強制下での日本の緊急事態時における団結力の高さ
  8.  政府や自治体から出される信頼性や質の高い情報
  9.  先手で対策・方針を打ち出すことのできる政府や自治体のレベルの高さ
  10.  マイナンバー制度の活用による役所仕事の潜在的効率余地の大きさ
  11.  日本の医療水準の高さ
  12.  利益第一主義によるグローバル化の危険性
  13.  公益資本主義による日銀のファンディングエージェンシーとしての役割の大きさ
  14.  銀行の社会的役割の変化
  15.  台湾と北朝鮮の地政学的重要性
 特に1については”にわか専門家”と言われる方がはばかりもなく発言し、社会に不必要な混乱を招いていることを危惧している。自分も医療の分野に20年以上、人生をささげてきた観点から言ってもそう言えるし、日本に存在する無数の同様なサイレント専門家マジョリティーもそう思っているに違いない。ワクチン開発における対症療法と予防目的の違いによる製品化への道のりの違いや検査対象とするもの、遺伝子なのか、たんぱくなのか、症状なのかによる臨床的解釈の違い、検査の精度と正確度による検査結果の解釈、臨床研究と治験(臨床試験)、市販品の違いなど挙げたらきりがない。肝炎,ヘルペスやエイズなどのように遺伝子陽性で無症候性キャリアとういうのもある。日本ではCTやMRIの人口当たりの台数が著しく世界的にも多いというのもある。これまでに民間や公的機関が長年かけて培ってきたこれらの検討がある。おそらく欧米にも莫大な背景となるデータが存在していることだろう。

透析医療実績の5年生存率について日本、米国、欧州と比較しても日本が60%程度、米国欧州が40%程度と日本が世界の中でも治療成績が最も良い。海外からも不思議がられ原因は知る限り完全には特定されていない。医薬品、医療機器の製品開発力においては欧米が圧倒的に力を持っていることは否めない。透析医療の治療実績が何故、日本で高いのかについて専門家の間でもさまざまな考察が行われているが、今回のコロナの人口あたりの死亡率が国際比較において低いこととも関係があるのではないかと思ってしまう(私見)。遺伝子要因もあるかもしれないが、多くの交絡が予想される。また、世界でも有数の長寿国である理由とも関係があるのではないかと思ってしまう。統計や検査の信頼度などもあるが、アジア全般において感染者数と死亡者数は少ないように感じる。

これらの現象は普段、なんとなく目にする情報の信頼度を国民自身が判断する力と素養をつけることが如何に大事であるかを物語っている。これは金融、医療、芸能ネタ、政策、国際情勢などすべてにあてはまり、おそらくにわか専門家の情報に多くの国民が騙される可能性を示唆していると邪推できる。情報の影響とその背景にある意図を常に念頭におく必要性を啓発する必要がある。まさに世の中、玉石混交の情報の洪水である、

人間の誕生よりはるかに長く地球に住んでいるウイルスの地球生存歴は30億年といわれているから地球に住んでいる生物としては人間より先輩格である。「緊急事態宣言」と「解除」を2年くらい、あるいはもっと長い年月を繰り返して、妥当な対策が特定されて平常時に戻っていくのだろうか。(ウイルスと共生していく)。
ある金融アナリストは日経平均30万円と言う人もいるが、その真偽はともかく株価などでは計りえない日本の資産価値の高さを私自身も含め日本人自体が気付いていないのかもしれない。
新しい世界が今後、100年以上の大きなうねりとしてくる予感がする。。。。


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